How to get Startup Ideas by Paul Graham (November 2012)

www.paulgraham.com

・スタートアップにアイデアを得る方法はアイデアを探そうとするのではなく、課題、特に自分自身が抱えている課題を探すことだ

・最高のスタートアップのアイデアには共通の3つのことがある

①会社の創設者が求めている

②自分自身で作ることができる

③他の誰もが気づいていない

 

Problems

・スタートアップが最もやりがちなミスは誰も抱えていない課題を解決しようとすること

・多くの創設者が陥りがちなのは「スタートアップのアイデアを考えようとすること」だが、これはいいアイデアを生み出さないし、もっともらしく見える悪いアイデアに没頭する羽目になるので非常に危険なことである(YCでは"made-up idea","sitcom idea"と呼ばれる)

・一見優れているアイデアでも「自分は決して使わないが、他の人が使っているのは想像できる」という状況は最悪である

 

Well

・スタートアップを始める時に大事なのは、いつか使ってくれるユーザーがたくさんいることではなく、いますぐ本当に必要としている人がいること

・そのようなユーザーは初めの段階では少数しかいない

・多くの人がちょっと欲しいものよりも、わずかな人が心から欲しがるものを作れ

・こういったアイデアの全てが優れたアイデアというわけではないが、ほとんど全ての優れたアイデアはこのようなタイプのものである

・広くて浅い穴を掘るか、井戸(well)のように狭くて深い穴を掘るか

・ほとんど全ての優れたアイデアは後者である

・誰がこれをいますぐ使いたいか?聞いたこともないようなちっぽけなスタートアップが作ったガラクタのようなものだったとしても本当にそれを欲している人がいるか?

・井戸の広さは関係なくて、大事なのは深さ

Facebookは小さなマーケットから初めて、他のマーケットにも広まりやすいものだったから(ハーバードでうまく行くシステムなら他の大学でも当然うまく行く)

 

Self

・しばしば最初はニッチな市場から大きくなる道筋が明らかに見えている場合がある

・が、大抵はどのアイデアが成長するのかを見通すのは難しい

・ではどうやってアイデアを選ぶのか→もしあなたが分野の最先端にいる場合、あなたがやる価値があると感じたことは大抵の場合正しい、つまり直感である

・完璧な絵を書くためには、まず自分を完璧にしてから自分の思うままに描きたいものを書けばいい

・経験的に言えば、良いスタートアップのアイデアを思いつくには、いいアイデアを持つ人になればいい

・分野の最先端の人になるとは、それを推し進める人になるという意味ではなく、ユーザーとしても分野の最先端の人となりうる

・Live in the future, then build what's missing

・Not "think up" but "notice"

・YCでは起業家自らの体験から生まれたアイデアを"organic idea"と呼び、最も成功しているアイデアは全てこのようにして始まっている

・もしあなたが何か領域の最先端にいないのならそれになるのが良い

・成功するスタートアップは3-5年はかかるのだから、1年を自分自身に投資するのは合理的である、共同創業者を探しているならなおさらである

・高速で進化する業界の最先端にいるためにプログラミングを学ぶ必要はない

 Marc Andreessenは'"software is eating the world"といったが、この傾向はあと数十年続くだろう

・プログラミングを学ぶことは必ずしも必要ではない(ジェフ・ベゾスはできない)が、プログラミングを学べばアイデアを思いついた時に自分自身でそれを実装できるため大きなアドバンテージである

・あなたがプログラマーでありかつプロダクトのターゲットユーザーであるならなお良い、新しいバージョンを生み出しそれをテストするのが一人の頭の中で完結するから

 

Noticing

・未来に生きているなら、その未来にかけているものを探すのがいい

・もし領域の最先端にいるならば欠けているものにすぐ気がつくはず→逆にそれが明らかでないのはスタートアップのアイデアではない

→「何が欠けている?」と探すモードに入ってはいけない(探さなくてもすぐに気がつくはず)

・「これは大きな事業につながるか?」というフィルターを通してものを見てしまうと多くの良いアイデアを見逃し、よくないアイデアに集中してしまう

・もし正しい課題を見つけた場合にはそれを明確にわかりやすく描写できるはず

・大切なのは心を緩めることで、座ってアイデアを考えようとすることはもしかすると最良の選択ではないかもしれない

・最も良い方策は、バックグラウンドとなるものを突きつめつつ、その過程で足りないものを探していくこと

・客観的に自分を見つめながらも、自分の興味の惹かれる難しい課題に取り組め

・アイデアに気づく良い方法はクールに思えることに取り組むこと

・「おもちゃ」としてバカにされるプロダクトの方がより良いものになることもある

・Live in the future and build what seems interesting

 

School

アントレプレナーシップは実際にやることで身につくもの

アントレプレナーシップについて学ぶという簡単な部分に時間を費やすことで、スタートアップを始めるための最も困難な部分を解決するための機会を犠牲にするのは無駄なこと

・もしあなたがコンピューターサイエンスの専攻なら、アントレプレナーシップについての授業をとるのではなく例えばバイオテックの授業をとる方がいい

・もしくは授業を全くとることなくモノづくりをしろ

マイクロソフトFacebookがどちらも1月創業なのは偶然ではなく、ハーバードで試験勉強のために授業がなかったから

・スタートアップになるようなものを作ろうとしなくてもいい、ただモノを作れ、それがorganicな気づきにつながる

・できれば他の学生とやるのがいい

 

Competition

・良いアイデアは誰でも思いつくように見えるので、思いついた時は自分が出遅れたように感じるかもしれない

・もし他の誰かがすでにその問題に取り組んでいたとしてもおそらく遅すぎることはない

・スタートアップが競合に殺されることはほとんどないのである

・なのでユーザーがあなたのサービスを使うことを妨げる絶対的な競合がいいかぎりアイデアを捨てなくても良い

・よくわからない時はユーザーに聞くと良い。ユーザーが自分のプランを今すぐ必要としていて、競合が誰もやっていないことを知っていた場合、あなたがその最先端になれる

・競合とぶつかることをするのは間違いである。経験の浅い創業者は競合を必要以上に大きくみてしまう。あなたが成功するかどうかは競合よりもはるかにあなた自身に依存している。

・他の誰もが見落としている事実をあなた自身が知っているのならば「混み合った市場」に参入することを心配しなくても良い。混み合った市場は実のところ良い兆候である、なぜならそれは需要があり、かつ現状のソリューションが十分でないということを意味するからである。

 

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