ZERO to ONE
- 新しい何かを作るより在るものをコピーするほうが簡単では在るが、過去の成功をコピーしているだけでは、それは過去から何も学んでいないのと同じである
- 他の生き物と違い、人間に在る奇跡を起こす力が「テクノロジー」である
- テクノロジーは、より少ない資源でより多くの成果を可能にしてくれる
- 起業において成功の方程式などなく、どんなイノベーションもこれまでにない新しいもので「こうしたらイノベーティブになれますよ」と教えられるものではない
- 未来は今よりも進歩しているが、その進歩は「水平的進歩(拡張的進歩)」と「垂直的進歩(集中的進歩)」に分けられる
- 水平的進歩:成功例をコピーすること、1からnを作り出すこと、グローバリゼーション
- 垂直的進歩:新しい何かを行うこと、ゼロから1を生み出すこと、テクノロジー
- 新しいテクノロジーなきグローバリゼーションは持続不可能である
- 新しいテクノロジーを生み出すのはだいたいスタートアップ
- スタートアップとは、君が世界を変えられると、君自身が説得できた人たちの集まりだ
- 「賛成する人がほとんどいない、大切な真実はなんだろう?」
- インターネットバブル崩壊とともに、少しづつ段階的に前進する、無駄なく柔軟(リーン)である、ライバルのものを改良する、販売ではなくプロダクトに集中する、などのスタートアップ界の常識が生まれたが、むしろ正しいのはそれとは逆の原則である。
- 完全競争下では長期的に利益をだす企業は存在しない
- 永続的な価値を想像してそれを取り込むためには、差別化のないコモディティ・ビジネスを行ってはならない
- 独占企業はあたかも市場のごく一部しか占めていないかのような嘘をつき、完全競争企業はまるで市場を独占しているかのように嘘をつく
- 独占企業の莫大な利益は社会の犠牲の上に成り立っているのでは?という質問に対する回答はイエス。しかし、それは世界が全く変化しない場合だけである→クリエイティブな独占企業は全く新しい潤沢な領域を生み出すことで消費者により多くの選択肢を与えている
- 独占は危険だしそれに反論するのはもっともだが、進歩の歴史とはより良い独占企業が既存企業に取って代わってきた歴史である
- その上、独占企業は長期計画を立てる余裕と競争に追われる企業には想像もできないほどの野心的な研究開発を支える資金があるからである
- 独占は全ての成功企業の条件である
- 競争とはイデオロギーだ
- 偉大な企業かどうかは将来のキャッシュフローを創出する能力で決まる、単純に言えば今日の企業価値はその企業が将来生み出すキャッシュフローの総和である
- 短期的な成長を優先させれば自問すべき最も重要な問いを見逃してしまう「このビジネスは10年後も存続しているか」という問いである
- 独占企業は以下の特徴を併せ持っている、プロプライエタリ・テクノロジ、ネットワーク効果、規模の経済、ブランド
- プロプライエタリ・テクノロジ:ビジネスの一番根本的な優位性(グーグルはスピードの速い検索結果表示と確度の高い検索ワードの自動候補表示)、少なくとも2番手とは10倍優れていなくてはいけない、既存のソリューションを10倍改善できるならそれでもいい(アマゾンは他の書店の10倍の本を抱えていた)、
- ネットワーク効果:利用者の数が増えるにつれより利便性が高まるのがネットワーク効果、そのネットワークが小規模な時の初期ユーザーにとって価値あるものでない限り、効果は広がらない、ネットワーク効果を狙う企業は必ず小さな市場から始める(Facebook)
- 規模の経済:独占企業は規模が拡大すればさらに強くなる、プロダクトの開発に関わる固定費は販売量の拡大に従って分散される、ソフトウェアスタートアップは販売増加にかかる限界費用がほぼゼロに近いので、劇的な規模の経済の恩恵を受けられる
- ブランド:そもそも企業に固有のもの、強いブランドを作ることは独占への強力な手段、一番強いテクノロジー・ブランドであるアップルにはハード・ソフトの両方で複雑なプロプライエタリ・テクノロジーを有している、本質よりブランドから始めるのは危険
- これら4つを組み合わせて独占が生まれるが、それを成功させるには慎重に市場を選びじっくり順を追って拡大しなければならない
- どんなスタートアップも非常に小さな市場から始めるべきである
- スタートアップが狙うべき理想の市場は、少数の特定のユーザーが集中していながら、ライバルがほとんどあるいは全くいない市場
- 大きな市場は参入余地がないか、誰にでも参入できるため目標のシェアに達することがほとんど不可能
- ニッチ市場を創造し、支配したら関連する少し大きな市場に徐々に拡大していく
- 本当に新しい市場を作るなら古い業界を意識するより、創造に力を注ぐ方がはるかに有益(「破壊」などもってのほかである)
- 人生は宝くじじゃない
- 大規模に成功できる現実的な可能性のあるスタートアップだけを組み入れるのが良質のベンチャーポートフォリオである
- 隠れた真実は探さなければ見つからない
- 隠れた真実は飽くなき探求を続ける者の前にだけ姿を表す
- スタートアップは始める時が最も肝心
- 何かを始めるにあたって最も重要な最初の決断は「誰と始めるか」ということ
- スタートアップに関わる全ての人間はフルタイムであるべき
- CEOの給料が少ないほど会社はうまくいく、アーリーステージのスタートアップではCEOの年収が15万ドルを超えてはいけない
- ペイパルでは一緒に働くことを心から楽しんでくれる人たちを雇っていた
- プロダクト自体に友人を呼び込みたくなるような機能がある場合、それはバイラるする
- オタクは販売のことなんか考えたくもないし営業マンなんか追放したいと思っているが、誰もが売り込みに左右されるのである
- コンピューターで人の仕事を完全に置き換えるという考えは、しばしば間違いになる(採用の一部は人の手でなされなくてはいけない)
- コンピューターだけで問題を解決するのではなく、難しい問題を解決するのにコンピューターはどのように手助けできるのだろうか、と考える
- どんなビジネスも答えを出すべき7つの質問
- エンジニアリング:段階的な改善ではなく、ブレークスルーとなる技術を開発できるだろうか?(プロプライエタリ・テクノロジー)
- タイミング:このビジネスを始めるのに、今が適切か?
- 独占:大きなシェアが取れるような小さい市場か?
- 人材:正しいチーム作りができているか?
- 販売:プロダクトを作るだけでなく、それを届ける方法があるか?
- 永続性:この先10年20年と生き残れるポジショニングができているか?
- 隠れた真実:他者が気づいていない、独自のチャンスを見つけているか?
まとめ